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【初心者向け】BIツールでデータからビジネスの示唆を得る具体的な手順

Tags: BIツール, データ分析, 活用方法, 初心者, 意思決定

はじめに:BIツール導入後、データから何を得るべきか?

データに基づいた意思決定の重要性を感じ、BIツールを導入された企業様は多くいらっしゃるかと存じます。しかし、ツールを導入しただけで、すぐに経営や業務に役立つ「示唆」が得られるわけではないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。

データ活用の真の目的は、単に数字を集計したりグラフを作成したりすることに留まりません。そこからビジネス上の課題解決や新たな機会発見に繋がる「示唆」、つまり意味のある情報や洞察を引き出し、具体的な意思決定に活かすことにあります。

この記事では、BIツールを使い始めたばかりの初心者の方に向けて、データからビジネスの示唆を得るための考え方と、今日から実践できる具体的な手順を解説いたします。この記事を読むことで、BIツールを使ったデータ活用の第一歩を踏み出し、データから価値を引き出すためのヒントを得ていただければ幸いです。

示唆とは何か?単なる集計・可視化との違い

まず、「示唆」とは何かを明確にしておきましょう。

BIツールは、この「示唆」を得るための強力なツールですが、ツール任せにするのではなく、データと向き合う私たちの「考え方」が非常に重要になります。

データからビジネスの示唆を得るための基本的な考え方

データから効果的に示唆を得るためには、以下の2つの基本的な考え方を意識することが大切です。

  1. ビジネス上の問いを持つ:
    • まずは明確な目的意識を持つことです。「何のためにこのデータを見るのか?」「どんな課題を解決したいのか?」といったビジネス上の問いや仮説を持つことから始めます。漠然とデータを眺めるだけでは、単なる数字の羅列に見えてしまい、重要な示唆を見落とす可能性が高まります。
    • 例えば、「最近、特定商品の売上が落ち込んでいるが、その原因を探りたい」「新規顧客獲得のために、効果的なプロモーション施策を見つけたい」など、具体的な問いを設定します。
  2. データから「なぜ?」を考える:
    • データを見て「こうなっている」という事実を把握したら、次に「なぜそうなっているのだろう?」と疑問を持つ習慣をつけましょう。この「なぜ?」を掘り下げていくプロセスが、示唆を得るための探求です。
    • 例えば、特定の商品の売上が減少しているグラフを見たときに、「なぜ減っているのか?」「いつから減り始めたのか?」「どんな顧客層で減っているのか?」「競合の状況は?」など、様々な角度から疑問を投げかけ、データで検証できる仮説を立てていきます。

BIツールでデータから示唆を得る具体的な3つのステップ

それでは、BIツールを使ってデータからビジネスの示唆を得るための具体的な手順を3つのステップでご紹介します。

ステップ1:ビジネス上の「問い」を設定する

データ分析を始める前に、最も重要なのは「何を明らかにしたいのか?」「どんな課題を解決したいのか?」というビジネス上の問いを明確にすることです。

この段階で設定した問いが、その後のデータ収集や分析の方向性を決定づけます。最初は小さな問いから始めても構いません。

ステップ2:問いに答えるためのデータを可視化する

設定した問いに答えるために必要なデータを特定し、BIツールを使って可視化します。

ステップ3:可視化されたデータからパターンや傾向を読み取り、示唆を得る

可視化されたデータを見て、設定した問いに対する答えや、新たな発見を探します。ここで「なぜ?」を深く考えることが重要です。

データ分析のプロセスは、多くの場合、この3ステップを繰り返し行います。一つの問いから始めた分析が、新たな問いを生み、さらなる深掘りに繋がっていくものです。

示唆を得るためのポイントとBIツールの活用

データからビジネスの示唆を効果的に得るためには、以下の点も意識すると良いでしょう。

これらの機能を効果的に使うことで、ステップ3でのデータ深掘りが容易になります。

まとめ

BIツールを導入したばかりの頃は、たくさんのデータや機能に圧倒されることもあるかもしれません。しかし、データからビジネスの示唆を得るプロセスは、特別なスキルがなくても、正しい考え方と手順を踏めば誰でも始めることができます。

今回ご紹介した「①ビジネス上の問いを設定する」「②問いに答えるためのデータを可視化する」「③可視化されたデータからパターンや傾向を読み取り、示唆を得る」という3つのステップは、データ活用を推進する上での基礎となります。

まずは自社の身近な課題について、小さな問いを立てることから始めてみてください。BIツールを使ってデータを可視化し、「なぜ?」という視点を持ってデータと向き合うことで、きっとビジネスの意思決定に繋がるヒントが見つかるはずです。

データ活用は実践と改善の繰り返しです。恐れずに一歩を踏み出し、BIツールをビジネスの羅針盤として活用していきましょう。